世の中のために正しいトレーニングを提供したい。山本拓也さん。【クローン病】

理学療法士

北海道・小樽市でスポーツトレーナーとして働く山本拓也さん。
「personal gym Takku」を開業し、パーソナルトレーナーとしても活躍されています。
ご自身の仕事の経験もあり、世の中のためになりたいとトレーナー業に注力しています。
今回は山本さんのお仕事に対する想いや、今後の活動についてお話を伺いました。

目次

  • 自己紹介
  • 発症・病気について
  • 現在の仕事について
  • 今後の目標
  • 同じ病気の方や境遇の方へのメッセージ

自己紹介

山本拓也です。みんなにはたっくと呼ばれています!
スポーツトレーナーとして北海道・小樽市に「personal gym Takku」を開業しパーソナルトレーナーとジムの経営を行っています。

発症・病気について

僕はクローン病という、消火管の病気を10年前に発症しました。
大学生の時、腹痛と微熱が1ヶ月ほど続いたため、病院を受診したところクローン病の可能性が疑われ、精査後に確定診断を受けました

僕の場合、最初は状態が悪く、寝たきりになるほどお腹が痛くなり、一歩も動けない状態だったんです。
41度の熱があり、意識も朦朧としていたのですが、病院でのベッドの空きがなく入院できませんでした。
そのため、ステロイドを使用し、自宅療養を行い、症状を落ち着かせることになりました。
その際の症状は良くなったのですが、クローン病の治療は必要であったため、免疫抑制剤・レミケードという点滴による治療を行うことになりました。

この免疫抑制剤を使用してからは、症状が落ち着き、現在もレミケードを定期的に使用しています。
同じ病気の他の方の話を聞くと、油ものや食べる量が多いと状態が悪くなる方もいるようです。
僕の場合は、幸いなことに現在の日常生活において苦手な食べ物や活動の制限はありません。

レミケードによる治療を開始してからは、体調不良も少なくなりました。これは僕の場合なので、症状や薬の効果は個人差があると思います。僕の場合、最初は状態が悪く、寝たきりになるほどお腹が痛くなり、一歩も動けない状態だったんです。

クローン病とは、慢性的に胃や腸などの消火器管に炎症が起きてしまう自己免疫疾患です。たとえば、食べ物を食べてもそれを異物と見なし、自分の体を攻撃してしまい、食べ物を食べるたびに腸が傷ついてしまうような病気です。
暴走した免疫をおさえない限り、腸が傷つくことを繰り返してしまいます。
参考:クローン病 指定難病96

現在の仕事について

トレーニングに対する想い

僕が開業をする前は、会社員としてスポーツトレーナーに従事していました。その働いていた事態から感じていたことは、「怪我をしないトレーニングを世の中に広めていきたい」という想いです。

トレーニング中に怪我をしてしまうお客様もいます。これには様々な理由がありますが、トレーナーの指導不足ということもあります。
僕は大学で理学療法について勉強し、大学院でアスレティックトレーナーについて深く勉強しました。

だからこそ、根拠のあるちゃんとしたトレーニングを届けたいと考えています。
また、怪我をしないトレーニングが結果につながることも示したいと考え、理学療法士・アスレティックトレーナーの資格を活かして開業を決意しました。

僕が運営しているジムでは、「科学的に根拠のあるトレーニングを提供する」ことを大切にしています。
そのうえで、大切にしているポイントは、「実際に自分で実践すること」・「本当に効果がでるトレーニングを提供すること」の2つです。

パーソナルトレーナーとして、提供したトレーニングがしっかりとした結果に繋がるよう、
示していければと思い、活動を続けています。

理学療法士とは、怪我や病気で身体に障害がある人や障害の発生が予測される人に対して、ひとりひとりに医学的・社会的視点から身体能力や生活環境等を十分に評価し、それぞれの目標に向けて適切なプログラムを作成します。
参考:日本理学療法士協会

アスレティックトレーナーとは、公認スポーツ指導者制度にもと基づき、JSPO公認スポーツドクターおよび公認コーチとの緊密な協力のもとに、1)スポーツ活動中の外傷・障害予防、2)コンディショニングやリコンディショニング、3)安全と健康管理、および、4)医療資格者へ引き継ぐまでの救急対応という4つの役割に関する知識と実践する能力を活用し、スポーツをする人の安全と安心を確保したうえで、パフォーマンスの回復や向上を支援する。
参考:JSPO日本スポーツ協会

今後の目標

目標はパーソナルトレーナーとしての実力を上げつつ、地域に貢献できるようになりたいと考えています。

僕は小樽が好きなので、この小樽市を盛り上げたいと考えています。
昨年は小樽市制施行100周年であり、たくさんのイベントがありました。
また、今年は小樽運河ができて100周年でイベントが準備されています。
僕は、こういったイベントの実行委員としても参加しており、小樽市を盛り上げるためにも注力しています。

僕は、僕のトレーニングを受けに全国から足を運んでくれるようなトレーナーを目指しています。
僕のトレーニングを受けに小樽に来てもらえたら、小樽の活性化につながるのではないかと思っています。
パーソナルトレーナーとしての実力を上げ、全国からお客さんが訪れることで、地域活性化につなげることが今後の目標です。

同じ病気の方や境遇の方へのメッセージ

クローン病は筋トレとの相性が悪く、トレーニングを十分に行えたとしても、栄養を十分に吸収することが難しいです。
正直、相当苦労はしましたが、病気を理由に諦めなかった結果、今はやりたいことを継続できています。

いまの状態が悪化したら同じことは言えないかもしれませんが、調子が悪くても自分がやりたいことをできる方法があるはずなので、探しながら病気と戦ってほしいです。