小さな可能性・出来る事を多くの方に気づいて頂きたい。鈴木 隼人さん【スティッフパーソン症候群】

スティッフパーソン症候群

今回は、100万人に1人の疾患スティッフパーソン症候群を28歳で診断。現在マーケッター・Webライターとして活躍している、鈴木隼人さんを取材させて頂きました。

もくじ

  • 自己紹介
  • 幼少期の活動について
  • 大学入学・有機化学の研究を始める
  • 社会人スタート
  • 病気が教えてくれた事・今後の目標

自己紹介

こんにちは鈴木隼人です!私は2年前に100万人に1人の病気と言われているSPSと診断された身体障害者です。現在は、Webライターとして活動しています!

病気について

スティッフパーソン症候群は、100万人に1人の病気で日本に30名程しかいないかなり珍しい難病です。症状は、体幹や腹部の筋肉が徐々に硬くなると言われています。

幼少期の頃の事を教えてください

小学5年生で難病の診断を受ける

小さい頃から運動が大好きで、陸上・空手・バドミントン、弓道と様々なスポーツを活発に行っていました。
ただ、小学5年生の時に自分の左眼球の異変に親が気づき病院に行きました。病院で検査をした結果、重症筋無力症(MG)と診断されました。

重症筋無力症と診断後スポーツを引退

重症筋無力症と診断時、主治医の先生から、過度な運動を行わないようにとドクターストップを通告されました。
そこでスポーツを一度引退致しました。

大学受験・有機化学の研究を始める

重症筋無力症と診断された後の生活

スポーツを引退後、出来る事からと、真面目に勉強をする様になりました。
高校に入学する頃には、治療を繰り返していたお陰で、重症筋無力症の症状は回復。同時に運動能力も回復し弓道部で活動する事が出来ました。運動も出来る様になり友人と遊びながら高校時代を謳歌したそうです。

大学入学・有機化学研究を始める

大学受験は失敗した事もあり滑り止めで入った大学にて必死に有機化学の研究を行いました。大学院まで進学し、研究に没頭する日々されたそうです。

在学中に悪性貧血・バセドウ病で2回倒れる

研究に没頭する一方で、体調は再度悪化することに。大学2年生の時に悪性貧血(巨赤芽球性貧血)が原因で入院することになりました。病院の血液検査で赤血球・白血球が通常の1/3になっている事が判明しました。現在でも、筋肉注射によるB12の補填は欠かせないとのこと。
その一年後、2回目に倒れた時、バセドウ病と診断されました。元々母がバセドウ病だった為、このときの対処はスムーズでした。
このくらいから、新しい病名を診断されたり、病気のために生活スタイルを変えたりすることはなれてきましたね。(笑)

社会人生活スタート

ファーストキャリアは研究職

2回も倒れてしまいましたが、大学を無事卒業し学生時代に学んだ事を活かし、液晶パネルの研究・開発を行う会社に就職しました。

1年で複数の職業を経験

研究職をしていた時に『稼ぎたい・営業職をしてみたい』という向上心で1年で研究職を退職し技術営業の職場やマーケティングなど数々と転職しました。体調に合わせながら、あらゆる職業に挑戦し続けていて、本当に色々な事に挑戦していた時期だったと思います。

スティッフパーソン症候群と診断

横断歩道で倒れる

スティッフパーソン症候群の症状が現れたのは、会社の帰り道。横断歩道で急に足が動かなくなり倒れてしまいした。その日は朝から体調が悪かった為、ただの風邪かと思いつつも、身体の違和感が拭いきれず複数の病院をハシゴしましたが、どの病院に行っても風邪かインフルエンザ、精神的なものじゃないか、と診断されるだけでした。
ただ、その日を逆目に体が動きにくい日が徐々に増えていきました。
環境や、その日の体調、気分で動きにくさが変わるため、本当に精神疾患なのではないかと悩みました。
横断歩道で足が止まったり、飲み会のときだけ座っているのが辛くなったり。かと思ったら、家では自由に動ける不思議。体調が悪いときは、寝たきりのように動けなくなることもありましたし、大きな音に驚いてびくっとしやすくなったり。
口で説明するのも難しく、治し方もわからなければ理解してくれる人もいない。「ちょっと、腰が悪いんだ。」とごまかしながらの生活が続きました。

 

病気の情報を集め始める

体調不良があまりにも多く続いたので、自分の症状をまとめ当てはまりそうな疾患リストアップして探しました。さらに、その疾患に詳しい病院を片っ端から診察しました。幸運な事に6つ目の病院で検査を受け、スティッフパーソン症候群と診断されました。

100万人に1人の病気と診断された時の心情

昔から、色々な病気を診断されてきた為、スティッフパーソン症候群の診断をされた時もあまり驚きませんでした。
ただ、珍しい病気の為、予後情報・同病者の活動を探すはかなり大変でした。なんなら今も探しています。

病気が教えてくれた事・今後の目標

病気が私に教えてくれた事

車椅子を頻繁に使用する生活から、障害によって制限が増えることを体感しました。
とくに、症状が理解されにくいことには悩みました。
動けないわけじゃないけれど、動こうとすると動けない、そんな場面が沢山あるんです。
家の中は歩ける、でも横断歩道は渡れない。一人で立って料理はできる、でも立ち話はできない。
僅かなストレスや環境の変化で症状が変わるので、自分自身の身体を自分で理解することに時間を要しました。 
そんな経験から、説明しにくいことをストレートに人に相談したり、頼ることが上手になったと思います。

また、ポジティブな性格から、「制限されている分できる今出来る事が限られている為、今できることを一生懸命やろうと考えるようになりました。

今後の目標を教えてください

障害をきっかけに自分の可能性に気づき『出来る事』を見つけて職種の幅・お金の稼ぎ方を一つでも多くもつけてほしいと思っています。そのようなきっかけを障害の有無に関わらず出会う人全員が気づきを得る環境・情報発信を作っていきたいと思っています。
「障がい持ったお金持ち」が当面の目標です。

同病者に一言

鈴木さん!今回はお忙しい中取材を受けて頂きありがとうございました!
中々聞く事が出来ないスティッフパーソン症候群の話が聴けて学びになりました!

人によって症状も違えば、神経系、自己免疫系は併発する病気も多いと思います。だからこそ、「私の気持ちは誰にもわかってもらえない。」と思っている方も大勢いると思っています。本当かはわかりませんが、スティッフパーソン症候群は日本に30名と言われていますしね。それでも、このparkを見て、少しでも共感や頑張る希望になれば嬉しいです。立ち向かえとは言いません、少しでも受け入れていい人生にしましょう。私も精一杯頑張ります!