障がい者だから、健常者だからって決めるのではなく、一緒に楽しんで盛り上がることが大切!高岡杏【脳性麻痺】

脳性麻痺

産まれながらの障害はあるが、障がい者も健常者も一緒に楽しめるエンターテインメントを模索する23歳の素敵な高岡さんを取材させていただきました。

目次

  • 自己紹介
  • 障がいについて
  • 現在の活動
  • 今後の目標
  • メッセージ

自己紹介

はじめまして。高岡杏です。今年の春に筑波大学人間学群障害科学類を卒業した23歳です。

大学では障がいを持っている子供が虐待を受けた時の支援について研究をしていましたが、今は定職には就かず、好きなことやエンターテインメントの力で障がい者と健常者がもっと近い存在になるはずだと思い、様々な活動をしています。

障がいについて

私は脳性麻痺アテトーゼ型といって、生まれた時から障がいを持っています。

四肢と口の辺りに麻痺があるので、外出する時は電動車椅子を使うほか、コミュニケーションは肘でiPadを打つことによって行います。

初対面の方にはよく「え!肘で打つ人なんて初めて見た!器用だね!」と驚かれることが多いです。

スマホはさすがに無理でしょ?

と言われることもありますが、スマホも打ちます。

じゃあ、パソコンのキーボードは?

キーボードは強く押しすぎて壊したことがあるので、使いません。

意外と力がある方だったりします。

麻痺があるため、日常生活において全てに介助が必要で、家族やヘルパーさんの力を借りながら暮らしています。

現在の活動について

生まれつきの障がいなので、自分が歩けないことの劣等感などはあまり感じたことがありません。

しかし、私は小中高と普通校に通っていたので、周りの友人と比べてできないこともたくさんあるほか、自由に遊びに行けなかったりするもどかしさを感じていました。

友人たちは普通に接してくれるにもかかわらず、大人は私を特別扱いするという現実が受け入れ難いと感じていた時もあります。

脚本家になろうと思ったきっかけ

高校時代、クラスや部活でショートムービーを作る機会があり、私は元々物語を書いたりすることが好きだったので、脚本を担当することになりました。

私は撮影中に周りの友人とわいわいしながらも自分の意見を素直に言えることがものすごく楽しくてたまらなかったです。

障がい者と健常者の壁なんかそこにはありません

とにかく、自分がイキイキしていると感じることが出来たのです。

「脚本書いてくれてありがとう。」

「映画面白かったよ。」

という友人の言葉がとても嬉しかった。

この時私は脚本家になろうと決め、現在も自分のペースで脚本を書いています。

大学進学と葛藤

このような感じで楽しく過ごした高校時代も終わり、私は筑波大学に進学します。

大学に進学して、一人暮らしもするようになり、さらに楽しく過ごす予定でしたが、その逆でした。

障がい者について学び、自分が障がい者であること、障がい者と健常者の世界がくっきり分かれていることを知りました

辛かった。

モヤモヤが止まらなかった。

障がい者でしか見られないこと、そこに見えない壁を感じてしまい、ものすごく困惑してしまいました。

自分なりの答え

どうにかしたいと思い、思いついたのが高校時代のショートムービー作りのような空間を作ることです。

障がい者と健常者が共に過ごす時間を増やし続けることが出来れば少しづつお互いが近い存在になるのではないかと思っています。

それが好きなものを通して出来たら、速いスピードでその距離が縮まるのではないかと考えてました。

ショートムービー作りのようなワークショップを定期的に行うことが出来るように、すきなことやもので繋がりを生むようなコミュニティを作ることが出来るように活動をしています。

この活動はLittleYouという挑戦をする若者を応援するプロジェクトに選ばれ、9月18日に京都でプレゼンをすることになりました。

以下にリンクを貼っておくので、お時間ある方は見てくださると嬉しいです。

https://littleyou.jp/

今後の目標

今後の目標としては3つ大きくあります。

1つは前述の通り、障がい者と健常者が共に過ごすためのワークショップを定期的に開催していき、同じようにコミュニティを構築していくことです。

2つ目はエンターテインメントのバリアフリー化に向けた活動をしていきたいなと思っております。

好きなことやものと同じようにエンターテインメントには、障がいの有無に関わらず、みんなで楽しめるものが多いと思います。

例えば、私は大好きなアイドルグループのライブによく行きます。

ライブの時は誰が障がい者であるとか、国籍が違うとか関係ありません。

したがって、私はこの世の中が共生社会になるためには、エンターテインメントの力も借りると良いと思っています。

しかし、車椅子席の問題や情報保障の問題などがあります。

私はそういった問題にフォーカスしていった活動も今後していきたいです。

3つ目は脚本家としていつか活躍できるように努力することです。

私が本当に夢を叶え、脚本家になることができたら、障がい者でも夢は叶えられる!と証明できると思います。

私は昔から色々な障がい者当事者の方を見てきて、障がい者であることを武器にされてるような気がしていました。

それはとても強みだと思います。

けれども、子供ながらに障がいと関係ない夢は叶えられないのではないかと思ってしまいました。

そんなことはないはずです。

だから、私は私の夢を叶えて、障がい者だって夢はなんでもいいのだよと伝えたいです。

私はいつか些細な人間関係がメインでクスッと笑えるようなドラマを作りたいと思ってます。

これらを3つの目標のために日々頑張りたいと思います!

メッセージ

障がい者だからこう!健常者だからこう!って決めるのではなく、一緒に楽しんで盛り上がることが大切だと思っています。

一緒に楽しく人生を過ごしていきましょう!