障がい者のQOL(生活の質)を向上させるために、世界中でさまざまな取り組みが行われています。その中でも注目されるのが「バリアフリー」という言葉ですが、逆に「バリアアリー」というアプローチがあることをご存知でしょうか。
本記事では、障がい者に向けた「バリアアリー」というアプローチについて、その具体例を交えながら解説していきます。
目次
- バリアフリーとは?
- バリアアリーとは?
- 障がい者に向けたバリアアリーの具体的取組み例
- まとめ
バリアフリーとは?

バリアフリーとは、障害物や制限がないことを指す言葉で、身体的な制約を持つ人たちでも安全に利用できる空間や設備を提供することを目的としています。
日本では、高齢者や障がい者の人たちにもストレスなく生活できるように、建物や交通機関などの設計にバリアフリーが求められています。
バリアフリーの主な目的は、すべての人が平等に利用できる環境を提供することです。
高齢者、障がい者、妊婦、子どもなど、さまざまな状況の人たちがストレスなく利用できるよう、建物や交通機関、公共施設などの設計に配慮がされています。
その一例として、より世間へと一般化されるよう、国土交通省のバリアフリーマップの取り組みが期待されています。
参考:https://www.mlit.go.jp/sogoseisaku/barrierfree/sosei_barrierfree_tk_000222.html
バリアアリーとは?
「バリアアリー」とは、障がい者にとっては「バリアフリー」ではなく、あえて障壁を設けることで、彼らが自立しやすくするアプローチのことを指します。
一見矛盾しているように見えますが、バリアフリーが完璧になったとしても、障がい者が完全に自立できるわけではありません。
バリアアリーは、障がい者自身の意思決定や自主性を促進することで、より積極的かつ自立的な生活を送ることを目的としています。
このように、バリアアリーによって、適切なサポートとともに、自分で問題を解決しようとする意欲や自信を育てることができます。
障がい者の社会参加の促進
バリアアリーを適切に設けることで、障がい者が社会に参加しやすくなります。
これにより、障がい者が社会の一員として活躍できる環境が整います。
また、適度なバリアを設けることで、障がい者と健常者が共に様々な課題に取り組む機会が増え、相互理解と共感が促されます。
これにより、偏見や差別の解消が期待できます。
バリアフリーとバリアアリーを適切に組み合わせることで、障がい者にとってより良い社会環境が実現されることが期待できます。
重要なのは、適切なバランスを見極め、必要なサポートや環境を整えることです。
障がい者に向けたバリアアリーの具体的取組み例

バリアアリーには、下記のような具体例が存在します。
- 自動販売機の高さの統一
自動販売機は、設置場所によって高さが異なります。しかし、障がい者にとっては、高さの異なる自動販売機は利用しづらいものです。そこで、ある自治体では、全ての自動販売機の高さを統一することで、障がい者もスムーズに利用できるようにしています。
- 一般的なスロープの代わりに段差を設置する
バリアフリーでは、スロープが設置されることが一般的です。
しかし、障がい者にとって、段差がある方が利用しやすい場合もあります。
例えば、車椅子を利用している場合、スロープの傾斜が急な場合、逆に利用しづらくなることがあります。
そのため、ある商業施設では、スロープの代わりに段差を設置することで、障がい者もよりスムーズに移動できるように工夫をしています。
- 説明板の設置
公共施設や商業施設などでは、説明板が設置されていますが、障がい者にとっては文字の大きさや高さが問題となります。
そこで、ある施設では、説明板を傾斜させることで、障がい者でも見やすくなるように工夫しています。
- 手すりや階段の段数
手すりは、障がい者にとって必要不可欠なアイテムですが、手すりの位置や形状が一定でない場合があります。
そこで、ある施設では、手すりの高さや形状を統一することで、障がい者が利用しやすいように工夫しています。
また、階段の段数が多い場合、障がい者にとっては利用しづらいものです。
そのため、段数を減らすことで、よりスムーズな移動が可能になります。
- 障がい者向けの訓練プログラムの提供
障がい者が自立し、より豊かな生活を送るためには、それに向けた訓練が必要です。ある福祉施設では、障がい者向けの訓練プログラムを提供することで、彼らがより自立的な生活を送ることができるように支援しています。
まとめ
バリアアリーというアプローチが注目されている理由は、障がい者がより自立的な生活を送ることができるためです。
しかし、あくまでも障がい者自身が主体となって行動することが重要であり、周囲の支援や環境整備が必要となります。
このように、バリアアリーは、障がい者が前向きに社会へ適合していくための大切な取り組みとプロセスといえますが、障がいによっては適切なバリアフリーが必要です。
バリアフリーとバリアアリーを適切に組み合わせて、障がい者にとって良い社会環境を実現することが重要です。
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