リハビリ事業で培ったノウハウをもとに、求職者の経験・能力・適性に加えて、障害特性やお身体の状態とマッチする職種や業務を提案する株式会社ワイズキャリア。
ただ働くのではなく、働く喜びを感じることのできるサービスを目指すワイズキャリアの魅力に迫るため、事業担当の鶴田さんと理学療法士の鶴埜さんを取材させていただきました。
もくじ
- サービスの特徴を教えてください
- 実際に利用者様からどんな困りごとの声がありましたか?
- ご利用の流れを教えてください
- 地方在住でも利用できますか?
- お二人にとって「働く」とはどういったものでしょうか?
- 今後の目標について教えてください。
- 企業側へ伝えたいことはありますか?
- 当事者へ向けてメッセージ
サービスの特徴を教えてください
弊社は、『脳梗塞リハビリセンター』という自費リハビリ施設を2014年から運営しております。
ご利用者様の約半数が60才未満で、同じく半数の方が、リハビリ病院を退院されたばかり(発症から1年以内)です。そのため、職場復帰や社会復帰に向けたリハビリのサポートをすることが多いです。しかしリハビリを通じて身体機能が改善しても、仕事・社会への復帰が難しいとの声もたくさん聴いてきました。
元の職場の障害に関する理解・対応ノウハウがないことや、再就職先との適切なマッチングができていないことが障壁となっているようなのです。
そこで、『ワイズキャリア』は、身体の専門家による障害に対する正確なアセスメントをしっかり行うことを強みとする求人紹介を開始しました。求職者の方の困りごとをしっかり抽出し、障害者採用のノウハウが少ない求人企業様へ、私たちが持っているノウハウを最大限に使ってサポートしたいと考えています。
実際に利用者様からどんな困りごとの声がありましたか?
困りごとは人それぞれです。就職の中では障害のレベルを理由に断られるという方もいらっしゃいました。
また就職されている当事者の方もいらっしゃいますが、企業内の障害への理解が不足している場合もあります。そのため、肩身の狭い思いをされていながら、辞めてしまうと次の就職先がみつからないから辞められない、ということも多々あるようです。
脳卒中の方は運動機能に問題があり、通勤の際の人混みや階段が大きな壁になっていました。しかしコロナ禍になりテレワークが推進されたことにより通勤のバリアは少なくなっているように感じます。
その一方で、職場への理解が得られにくいという声も伺っていますので、それがこれからの課題だと考えています。
ご利用までの流れを教えてください
まずワイズキャリアに登録していただき、履歴書等必要な書類をご提出いただきます。その後ご利用者様のお身体や特性についてリモートでアセスメントし、マッチングへ移って参ります。
企業との面接を経て内定されたら、内定後3ヶ月間は定着サポートを行なっています。働いてみて感じた課題をヒアリングし、時には企業側に環境整備をご提案させていただくこともあります。
ご利用登録は障害者手帳をお持ちの方であればどなたでもしていただけます。またテレワークが導入されているような、企業や多様な職種の紹介先の充実に努めて参ります。
地方在住でも利用できますか?
利用可能です。実際に地方の方々にもご登録いただいています。
もちろん企業によっては、通勤できる前提でリモート対応可能なケースもあり、様々な条件があります。
しかし私達がアセスメントの上で、ご利用者様に適したご案内をさせていただきますので、地方在住でも十分ご利用が可能です。
お二人にとって「働く」とはどういったものでしょうか?
もちろん収入を得て安定的な仕事、安定的な生活を送ることも一つだとは思います。ただ私は働く上でいかに社会と関わっていけるかがとても重要だと思っています。
求職者の中には、なかなか外出ができずコミュニケーションを取る機会が少ない方もいらっしゃいます。
そのため、私たちが行なう人材紹介業務はとてもやりがいのあることだと感じています。
私は働くことはチャレンジだと思っています。
当然社会に出ると良いことばかりではありません。働いていく上で辛いこともたくさんあります。こうした様々なことを感じながら自分自身の可能性に向けてチャレンジをしていくことが働くのだと思っています。
私達もサポートという形でチャレンジをしていきますので、みんなで一緒にチャレンジし、ご利用者様のより良い方向へ進めるようお手伝いをさせていただきたいと思っています。
今後の目標について教えてください
今はリハビリのノウハウがある身体障害の方をメインにサポートさせていただいています。今後は精神疾患の方などにも対応できるよう検討していきたいと考えています。
また弊社のようなセラピストが介入して職業や業務を紹介していく企業は少ないと思うので、私達の強みの部分を多くの方に知っていただきたいと思います。
将来的には就労のインフラを整備していきたいと思っています。
障害をお持ちの方のサポート方法を、企業側へお伝えできるような環境を作っていきたいと考えています。
企業側へ伝えたいことはありますか?
障害を抱えているからといって、お仕事ができないことはないと思っています。
今はいろんな仕事がご用意できますし、それが当たり前になっていく環境が間違いなく近いうちに来ると感じています。企業側へは、その準備として、障害者のことを知っていただきたいと思います。
企業さんへ対して私たちは通訳者だと考えております。
様々な介助は必要としても、テレワークが定着したことで仕事ができる人はとても多いのだと思います。体の使える機能をどう活用していき、どのように企業さんへ理解していただくかが通訳者として私達の仕事が大切になってきます。
障害のことをあまり知らない企業さんへ対して、専門家である私たちが介入することで、業務をより円滑に進められるような存在を目指していきたいたいと思います。
当事者へ向けてメッセージ
お仕事を探していく上で、諦めずにチャレンジしていくことはとても重要だと思います。
実際に障害者雇用率は年々上がっており、障害をお持ちの方が間違いなく求められている環境があります。
弊社は、これまでとは違う職業紹介に取り組めるので、一つのチャレンジとして弊社に登録いただき一緒に頑張っていければと思います。
病気や障害のお持ちの方は、わかってもらえないことも多々あると思います。そこで就労をテーマにディスカッションできる社会が良いと思っています。
一般の方に対しても、お互いが理解し合えるような社会を目指していく上で、就労が一つのキーワードになってくると感じています。ぜひ私達と一緒に取り組んでいきましょう。
本日は貴重なお話をありがとうございました!
まだまだ障害当事者にとって働くことが身近ではないと感じています。ワイズキャリアさんの取り組みは、そうした当事者に希望を与えるものだと確信しました。
今後の発展を1人の当事者として楽しみにしています!