人材業界で働く脳内出血当事者の復職・転職経験談。オオサワメグミさん【脳卒中】

高次脳機能障害

脳卒中と診断されながらも、発症前と同じくメディアの編集者・コンテンツマーケターとして活躍されるオオサワメグミさんを取材させて頂きました。

もくじ

  • 自己紹介
  • 発症当時について
  • お仕事
  • 苦労してきたこと・乗り越えたこと
  • 今後の目標

自己紹介

オオサワメグミです。新卒で入社した人材系企業に復職し、同じくメディアの編集者として約3年間キャリアを積みました。
復職後は取材記事も担当していましたが、臨機応変な対応が求められる業務より、計画を考えてから着手できるSEO記事の担当が向いていると考え、徐々にSEOやコンテンツマーケティングへ業務範囲をシフトしました。
その後は中長期的に働きやすい環境とスキル獲得のため、転職をして現職に至ります。

発症当時について

最初は貧血だと

24歳で脳出血を発症しています。最初は貧血だと診断されましたが、約6時間後に半身まひが判明し、脳出血と診断されました。診断の2週間後に出血の原因になった奇形血管と血腫、動脈瘤の摘出で11時間の外科手術を受け、術後は麻痺を改善させるため、左上下肢リハビリを3か月間受けました。

苦労してきたこと・乗り越えてきたこと

苦労したこと

<復職準備>

復職時は会社側が必要としている情報がわからなかったため、まずは人事が復職可能だと判断するために必要な情報を仮定して、WAIS-Ⅲ(全体的な知的能力や記憶・処理能力を測るテスト)やFIM(人の動作レベルを細かく評価する方法)の数値やリハビリ担当医の意見をもとに、歩行やタイピングのスピード、復職が可能であると判断された根拠をまとめた書類を作成しました。

<社会の役に立つために>

自分の市場価値が高められる会社や仕事を知る必要があると思いました。

そしてまずは市場価値を見出せる仕事を知るため、WAISⅢの数値とCT画像から見た損傷領域、自己分析(仕事や日常生活で苦手意識があること)を基に苦手意識がなく取り組める仕事をしました。

加えて高次脳機能、と神経心理学に関する本を計10冊くらい読み、自分の脳機能に関する理解を深めるとともに「自分にはどのような特性があるのか」を考えながら生活をすることで、ビジネスの場面において得意なことや苦手なことを判断できるように努力しました。そしてまずは市場価値を見出せる仕事を知るためWAISⅢの数値とCT画像から見た損傷領域、自己分析(仕事や日常生活で苦手意識があること)を基に苦手意識がなく取り組める仕事を絞り込みました。

高次脳機能、神経心理学に関する本を10冊くらい読み、内容をノートにまとめるとともに「自分にはどのような特性があるのか」を考えながら生活をしました。

<どう乗り越えてきたか>

復職準備に関しては、医療従事者や家族の助けがあって乗り越えられたと考えていますが、社会の役に立つための課題や苦労は自力で乗り越えるしかありません。そのためにまずは、休日はしっかり休めるように働き方を見直すことから始めました。働き方や生活リズムを見直し、日常生活の余裕を確保することで、障害や症状に対して学ぶ時間買い出し、炊事・洗濯・掃除など自立した生活の中で自分の特性を見極めるための時間をつくることができたと感じています。

発症4年目にしてやっと、生活やキャリアに落ち着きが訪れつつあるので、今後はアクセシブルなWebサイトやコンテンツを制作できる人材になりたいです。

またパートナーや両親の助けがあって自立した生活をしている今の自分がいるので、彼らが困ったときには手を差し伸べられるような余裕がある人間になれたら嬉しいです。

お忙しい中、取材を受けて頂きありがとうございました!
多くの方とお会いしてきましたが、こんなにもご自身の症状を勉強した方は初めてだったのでとても刺激的でした。

こちらこそ、貴重な機会をありがとうございました。
いつも取材する側なのでとても新鮮的で発症後から今までを振り返るキッカケにもなりました。
今後とも宜しく、お願い致します。